カテゴリー
ブログ

9月・10月の給与計算と社会保険料の変更

標準報酬月額の変更

事業主が従業員に給料を支給する際、給料から社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)を控除される事が多いと思います。
社会保険料は、毎年3月と9月に変更されます。
今回は、毎年9月の保険料変更についてお話します。

・社会保険料は、 社会保険料率 × 標準報酬月額 の計算で決定されます。
・3月は社会保険料率の変更、9月は標準報酬月額の変更により、社会保険料額が変更します。
・「標準報酬月額」とは、実際の給与支給額に一定の範囲が設けられ、その範囲毎に決められた額のことです。

定時決定

原則は「定時決定」といいます。

  • 毎年4~6月に支給された給与額の3か月平均の額に基づき、7/1~7/10日の間に「算定基礎届」という書類を年金事務所に提出します。
  • 年金事務所より送られる「標準報酬決定通知書」に記載された、各従業員の新しい標準報酬月額にて新しい保険料額を計算します。
  • 新しい標準報酬月額は、その年の9月~翌年の8月まで適用されます。

例(新潟県の場合)

例えば、協会けんぽの健康保険に加入している事業主が、ある従業員に4月から6月に支給した給与額の3か月平均が225,000円の場合、

  • 標準報酬月額は220,000円です。なお、保険料は、事業主と従業員で折半します。
  • 新潟県の健康保険料:18等級で20,900円 / 折半額:10,450円 ※
  • 厚生年金保険料:15等級で40,260円 / 折半額:20,130円

※40歳以上の方は、介護保険料込みで24,860円 / 折半額:12,430円

【参考】全国健康保険協会ホームページ 令和3年4月~ の健康保険料(新潟県)
 
9月以降の給与計算の際は、標準報酬決定通知書を基に保険料を見直す必要があります。

定時決定以外に標準報酬月額が決定されるケース

  1. 資格取得時の決定
  2. 随時改定:給与額が大幅に変更した月以後の給与額の3か月平均に基づく改定

があります。

1.資格取得時の決定

従業員を雇い入れた際、年金事務所に「被保険者資格取得届」を提出することで、標準報酬月額が決定し、翌年の8月まで(1月~5月の場合はその年の8月まで)適用されます。
・なお、6/1日~7/31日の間に社会保険の被保険者となった場合は、定時決定は不要です。

2.随時改定

諸事情で従業員の給与額が大幅に変わり、以下の条件に全て該当し、3か月間続いた場合、年金事務所に「標準報酬月額変更届」を提出する必要があります。

  1. 昇給・降給により、固定的な賃金額に大幅な変動があった
  2. 各月の勤務日数がいずれも17日以上である
  3. 標準報酬月額表にて、2等級以上の差が生じた

給与額の変更は、主に昇給や降給の他、時給制から月給制への変更、時給単価の変更、通勤手当などの手当や額の変更で生じます。
給与額を変更する際にもご注意ください。

変更後の標準報酬月額は、給与額変更月の4カ月目の保険料から適用されます。
例えば、10月支給分が最初の給与変更月であれば、10月~12月支給分の給与額の3か月平均分の額に基づき標準報酬月額変更届を提出し、1月分の保険料(翌月控除の場合、2月支給分)から変更となります。
なお、7~9月支給分の給与から変更後の標準報酬月額が適用される場合、定時決定は不要です。

新しい社会保険料控除のタイミング

  • 定時決定後の社会保険料は、9月より適用されます。
  • 社会保険料の変更が生じた場合、被保険者である従業員に通知する必要があります。
  • 社会保険料の納付期限は「翌月の末日」までと決められており、9月分の社会保険料は、10月31日までに年金事務所までに納付する必要があります。
  • 保険料を給料から控除するタイミングは会社によって違いますが、保険料が当月控除か、翌月控除か確認する必要があります。

当月控除の場合

9月支給分の給与からは、9月分保険料額(変更後)を控除します。

翌月控除の場合

9月支給分の給与からは、8月分の保険料額(変更前)、
10月支給分の給与からは、9月分の保険料額(変更後)を控除します。

控除すべき保険料額を間違いやすいケース

  • 定時決定後の社会保険料は、9月より適用されます。
  • 社会保険料の変更が生じた場合、被保険者である従業員に通知する必要があります。
  • 社会保険料の納付期限は「翌月の末日」までと決められており、9月分の社会保険料は、10月31日までに年金事務所までに納付する必要があります。
  • 保険料を給料から控除するタイミングは会社によって違いますが、保険料が当月控除か、翌月控除か確認する必要があります。

給与からは社会保険料の他、源泉所得税の額も計算し控除します。
源泉所得税の計算は、税法上の支給額から社会保険料を控除した額に基づき計算するため、社会保険料額を誤ると源泉所得税の額にも影響するため注意が必要です。

もし社会保険料や源泉所得税の額が間違っていた場合、翌月以降の給与や年末調整で訂正する方法もありますが、給与や控除額の間違いは従業員と会社の信頼関係にもかかわり、事後処理も大変です。
給与計算の際は、給与額や保険料の変更についてしっかりチェックすることが大切です。